K:では次にマイケルについて、話そう。アースケアについてはまた後ほどね。ジャーメイン、君の兄弟についてなんだけど、ドイツでのあのぶら下げ事件はどうなっちゃったんだい?
J:興奮して熱に浮かれたようになっちゃったのかも…で…
K:どんな状況だったの?(ホテルの)外にいる人達は…
J:何千人っていたからね。おそらく6万人くらいはその場にいたんじゃないかな。その人達が声援を送っていたんだから、興奮しちゃったんだね。まともなことじゃなかったとは僕だって言いたいよ。でもマイケルは子どもを愛しているんだ。どうであれ、子どもを傷つけようなんて思うわけがない。素晴らしい父親なんだ。メディアが勝手に書き立てているだけだよ。本当にそう思う。
K:でもマイケルは恐ろしい間違いを犯したって、言ったんじゃなかった?
J:そう、そう、そうだね。
K:外出する時、子どもに赤いベールをかぶせるのってどう思う?
J:うーん、こう考えたらいいと思うんだけど…マイケルがそうさせたいんだったら、させてあげたらどうなのかな。問題は、いつ子ども達を子どもらしく育て、広い視野を持たせるかということなんだ。ディズニーの世界、ディズニーランドとか、つまり、子どもを外出させたいんだけど、最近は誘拐事件が多いから、慎重にならざるを得ないんだ。
K:でもある意味、子ども達は普通とは違う世界で育つことになる。普通とは違うというのは、使うべき言葉ではないかもしれないけど、それって現実に目を向けないことになるよね?そうじゃない?
J:そんなことはない。マイケルは子ども達の欲しいものはなんだってあげられる状況にあるのに、何が正しいことかを教えようとしているんだ。僕もそこにいたことがあるけれど、彼は…子ども達はすごく礼儀正しいよ。
K:際立った父親だと?
J:素晴らしいお父さんだよ。
J:それには色んなことや、それに責任が伴う。彼の忍耐強さや能力、今、彼がどんな状況にあるのかを考えれば、人から遠ざかろうとするマイケルの意図も分かるよ。そういうことが分からなければ、あの人は奇妙だとか、悪く思ってしまうんだ。幼児虐待という犯罪さえ、僕の兄弟に押しつけようとしてる。彼は、僕の兄弟なんだ。素晴らしい人間だよ。
K:それについて話そう。そんな状況の中、マイケルはどうだったの?
J:狂ってる。狂ってるよ。2000万ドルくれなければ、お前は一生レコードを出せないなんて言われたって、信じられるかい?
K:マイケルは怖れていたわけだね。
K:ゆすりだよ。たかりとかそんなのさ。それでその間、地方検事が家にやって来て、薬箱や金庫をひっくり返したり、いろいろとやったわけなんだ。何を見つけようというんだ?こんなことが続いている時、僕はザ・ジャクソンファミリー・オナーズという番組をプロデュースした。マイケルはこの時も出演してくれて、愛と尊敬のこもったスタンディングオベーションを20分間も観客から受けたんだよ。家宅捜索した検事はこれを見ていたようで、テレビに出演した時、我々は決してマイケルを捕まえたりしないなんて言っていたよ。つまりどういうことかというと、マイケルは音楽の世界においてそのパワーは絶大だけど、他の世界では問題視されてしまうという部分もあるんだ。だからそこにつけこんで、なにか良からぬことがあったんじゃないかと僕は思っている。どういうことかというと…
K:どうしてだい?どうしてマイケル・ジャクソンに限ってそんなことが起きるんだい?
J:ラリー、これは難しい問題だよ。僕たち黒人がここに連れてこられたっていうずっと昔のことから考えないといけない。僕たちの信条、歴史、文化が奪われて…
K:アメリカの悲劇ってことだね。他にも多くの黒人エンターテイナーはいるよ。
J:でも未だに…。エンターテイナーのレベルにまでなっている黒人はいるよ。歴史を押しやってビッグスターになる。それで彼はたまたま黒人だったっていう…言うもんだよね。近頃では、マスコミが彼は終わりだ、彼は狂っている、彼はばかだなんてことを書いて人々にもそう思わせているようだけど、このやり方はなんなんだい。彼は才能のある男だ。素晴らしい人間だよ。
K:それでいて奥が深い人間だよね。難しい性質だよ。
J:確かに。でもほら、ミケランジェロだって奇妙な格好をしたり、おかしな言動だったり、普通とは違った人間だった。今世紀最大の物理学者で知られているアインシュタインだっておかしいと言われていたんだよ。今でも上映されている劇の作家、シェークスピアでさえもね。
K:天才はそんな傾向があるね。(外見だけでなく)内面も考えないと公平な見方にはならないね。マイケル・ジャクソンのような人間を見ているということだから。
J:まさにその通りだよ。でも。彼の心を見なくちゃ。音楽を見てほしい。人々のために何をしてきたかを見てほしいんだ。そしてその影響力を。僕らだって影響を受けているし、その上で、彼は素晴らしい人間だって言うことができると思うんだ。
K:兄弟として、顔の変化が気になるところだと思うけど、僕だったら何か言うべきだと思うんだけど、どうしてそんなことやっているのって聞かないのかな。そしたらマイケルはどう答えるんだろう。
J:えー、初めに、マイケルには皮膚の病気があるんだよ。色素欠乏症なんだ。
K:知らなかった。
J:これで分かったよね。だけどさ、ハリウッドでだって、整形とかそんな話ばっかりじゃないか。みんな知っていることだよ。とは言うけど、何か嫌なことがあったからって、どこかを変えようとか、そんなことを言うつもりはないけど…
K:どうして整形ばっかりするんだろう?
J:整形ばっかりってわけじゃない。僕らはそんなことで彼を判断すべきじゃないよ。彼がどんな人間か、世界のためにどんな活動をしているか、そういうところで判断すべきなんだ。もしマイケルが議員に立候補したら、世間の関心って、そこになるんじゃないかな。彼の活動を…
K:票を得るためにはね。
J:そうだ。
K:つまり、彼をエンターテイナーとして見るべきだってことだね。
J:人間としてみるべきなんだ。
K:難しいな。こんなご時世でしょ。難しいことだよ。
J:でもあなたはマイケルと話したことはあるよね。どうだった?
K:すごくシャイな人だなと思った。
J:もっとほかにも何かあるでしょ。忘れちゃいけないのは…
K:彼はとても礼儀正しくて、いい人間だったよ。マイケルという人間は、礼儀正しくて、やさしくて、とてもシャイなんだ。
J:ありがとう。
K:もう少し話しておきたいことがあるんだけど、マイケルは財政的に困っているの?
J:いや。
K:間違った報道だってこと?
J:間違ってるよ。
K:多額の負債があるとか、そんなことはないの?
J:間違ってる。
K:マイケルはソニーレコードのCEO、トミー・モトーラを批判したことがあったよね。彼は、今日ソニーを辞職して、これから自分の会社をつくるようだけど、これからもソニーと仕事をしていくようだ。これについてはどう思う?
J:ソニーからは色んな噂が出ているようだ。マイケルが負債を抱えているとかそういったことも含めてね。マイケルはそんなことはないよ。マイケルの最新レコードが出てからそれを超えるものが出てくるっていうことが問題なんじゃないかな。マイケルの今後の活動を阻止しようとするはかりごとかもしれない…これは僕の推測だけど。でもモトーラについての批判は、マイケルだけがしているわけじゃない。セリーヌ・ディオンや、マーク・アンソニー、MIBサウンドトラックだってそうだ。多くのアーティストが不満を持っている。ソニーのようなメジャーなレーベルが、ビッグアーティストを雇ったつもりでも、反対に批判されているというような実態を見れば、他のアーティスト達は希望なんて見出せるかい?
K:マイケルがそのことについて声を大にしたとき、驚いた?
J:そんなにはね。驚かなかったよ。マイケルは何について憤っているのか、批判している対象が明確だったし、何が起こっているのか公にしたかったんだ。マイケルの最新アルバムはとても良いものだよ。良いものなんだ。でも(ソニーは)それをサポートしなかった。マイケルは終わりだって…そう思わせようとしたんだ。
K:どうして?自分のレーベルから出ているものなのに。
J:レコードを出すよりも、版権の方が儲かるからね。これについてはまた後で話すけど。値段が違うんだよ。
K:マイケルの健康状態はどうなの?
J:彼は強い人間だよ。健康的だし。恐ろしくも、クモに咬まれたばっかりだけどね。
K:本当のところはどうなの?マイケルは裁判中だよね。クモに咬まれたばっかりに1日、出てこられない日があったけど、傷を見た?
J:見せてくれたよ。信じられなかったけどね。部屋に入って、足を見せてくれたんだけど、僕は思わず何てことだ、と言ってしまったよ。マイケルはこれでも良くなったんだよ、なんて言っていたけど、おそらくこれはブラウンレクルース(クモの種類)だと思う。とても有毒で、咬まれると手から身体から全てが腫れてしまうんだ。