これは映画「Jackass」のアウトテイクでは、決してない。ジョニー・ノックスビルでさえ、マイケルが11月19日にとった行動を躊躇するかもしれない。ベルリンのホテルの３階から、9ヶ月になる彼の子ども、プリンス・マイケル2世をぶらさげたことである。彼はまた次の日、ベールをかぶった子どものプリンス・マイケル1世（5）、パリス・マイケル（4）とともに動物園に現れ、ホテルでとった行動の問題性が改めて指摘された。

当局はマイケル・ジャクソン（44）のとった行動に対し、いかなる犯罪性も認められないとの姿勢だが、マイケルの特異なライフスタイルに対する疑問が残っている。　

マイケルは父親に適しているのか？

ベルリンでの出来事から2日後、バーバリーヒルズ在住、精神科医で子ども福祉に奔走するキャロル・リバーマンは、カリフォルニア州社会福祉局に、疑問状を提出した。この中ではマイケルが、子どもを養育していくのに「精神的に安定している状態ではない」とされている（11月26日、ロサンゼルスの弁護士グロリア・オールレッドも同様の文書を提出）。同州法律では、子どもを危険な状態にさらすことに対する告訴について、誰でも起こすことができ、犯罪として捜査される可能性へとつながる。

問題は、この行為がベルリンで起こったことである。「今回のこのケースはドイツの司法が決めること」であると、UCLAの刑法学教授ピーター・アレネラ氏は言う。リバーマンも断言しているように、ベルリンでの出来事が彼の一連の不適当な行為の一部分であるとカリフォルニア当局が認めれば、マイケルはこのままでいることはできないだろう。全面的な捜査に踏み込むかどうか、当局は10日間を費やす。

新たな子どもはどうしたのか？

物事を秘密に行なうことで有名なマイケルはこのことについて、親しい友人にも詳しい次第を語ろうとはしていない。今年4月、プロデューサーであり、マイケルとは30年もつきあっているゲーリー・パドニーは、マイケルを訪問した。マイケルはこのとき、晴れやかな様子で「僕の新しい子どもにあってほしいんだ」と言ったという。そして2時間もの間、父親になる喜びをあつく語ったが、この新たな喜びが、彼の人生へどのように舞い込んできたのかは語らずじまいだった。

子どもは養子？

マイケルの友人によれば、この子どもは血のつながっているかのような印象を受けたという。すでにいる二人の子どもは元皮膚科医アシスタントであったデビー・ロウ（44）が母親で、マイケルとは1996年に結婚し、3年後に離婚している（マイケルは1994年、リサ・マリー・プレスリーと結婚しているが、わずか20ヶ月でわかれている）。デビー・ロウがプリンス・マイケル2世の母親なのか？あるマイケルの友人は肩をすくめ、「なんでも真実らしく聞こえるよ」と言っている。

子どもはどのような生活を送るのか？

1994年、幼児虐待疑惑で13歳の少年に1500万から2000万ドルの賠償金を払ったとも言われるマイケルだが、ある友人はマイケルが繊細で、子どもに多くの愛情を注ぐ人間だと表現している。24時間つめているスタッフと共に、マイケルは世界のどこへでも自分の子ども達を連れて行く。「マイケルは一秒でも子ども達と一緒にいたいのです」とパドニーは言う。サンタバーバラにある2700エーカーもの敷地にたつネバーランドでマイケルは、子ども達とディズニー映画を見、健康的な食事になるように心がけ、甘やかされた子どもになることのないよう、敷地内の遊園地には一年に2，3回しか連れ出さないというような、生活を送っているという。

しかしそれでもこの養育は普通とはみなされない。デビー・ロウとマイケルは、デビーが単なる代理母にすぎなかったということを否定してがいるが、子どもの養育権はマイケルが持っている。マイケルによって支払われている130万円のコンドミニアムに住む子ども達は、母親に会いたがっているという。しかし一時、マイケルの精神的友人であったラビ、シュムレー・ボティーチでさえ、母親のいない状況を憂慮している。「私はマイケルによく言っていたのですよ。『子ども達は今は小さいけれど、12歳、15歳くらいになったらかならず母親はどこ？と尋ねますよ』と」と彼は言う。マイケルの家を訪れたものによれば、子ども達にはあまり多くの遊び友だちがいない様子だったという。「マイケルは、友達を作ってあげたいとは思っているのですよ。でも難しいのです。人々が新聞に話を売ると、そう思っているからなのです」とボティーチは語っている。

ベールはどうしたのか？

マイケルの友人にいれば、マイケルは安全面を考え、子どもたちの写真をとらせるのを好まないという。これは現時点で理解しがたいことではあるが。「彼は危険から子ども達を守らなければならないということと同時に、社会に目を開かせ、普通の生活をおくらせたいという微妙な問題のはざまにいるんだ」とは、ロサンゼルス在住でマイケルの子どもを見ている心理学者グレッグ・レクリトナー。

子どもは何人持つのか？

マイケルはまだ子どもをもつ気があるらしいという。ある友人は5人、またはそれ以上の子どもをほしがっていると語った。マイケルはパドニーに、男の子だったら全員、名前はプリンスにすると言ったという。「マイケルはとても嬉しそうだった。ベルリンでは間違いを犯したけれど、興奮して我を忘れてしまっただけじゃないかな」